文化統合：ReDの視点
M&Aを成功させるためには、企業文化を正しく理解することが重要です。企業文化の統合に失敗し、生産性の低下、顧客関係の悪化、人材喪失、相乗効果の遅延等が生じたことで、M&A案件の30%が財務目標の達成を逃しているという調査結果もあります。文化統合の重要性は認識されつつも、あくまで補足的な措置として、不十分かつ誤った方法または遅れて実施されるというケースが後を絶ちません。
現在、文化の複雑さや特殊性を考慮せず、標準的なフレームワークやツールを用いて統合を試みるという企業が市場の大半です。文化統合を円滑に導入および管理するには、根本原因と相互依存性のマッピングを行う必要があります。
ReD Associatesは、世界レベルの人文科学と社会科学を基盤とするM&A専用に開発された思考プロセスを駆使することで、複雑な文化統合に対応できる洞察力に溢れたオーダーメイドの体系的手法を提供しています。
M&Aプロセスで文化統合が関連するのはいつ？
2つの企業の文化統合は、M&A活動の全段階に関連します。
デュー・ディリジェンス (左）
文化的な視点は、文化から生じる潜在的な相乗効果とリスクの評価、そして価値の高い投資決定に役立ちます。
合併後の文化統合 (真ん中)
既存の文化のマッピングを行い、新たな文化を定義することで、初日から投資を成功に導くことができます。
実施 (右）
M&A実施中に文化統合の積極的な指導を行うことで、発生する緊張感を管理して、その相乗効果を活用することができます。
ReD Associatesは、M&A活動の支援にて豊富な実績を有しています。深い洞察力を伴う定性的なアプローチを駆使することで、既存の文化を深く理解し、統合時に起こり得る事態を体系的に分析し、取引成立後に醸成する理想的な文化を慎重に定義します。リスク要因の特定、文化統合の計画、文化導入イニシアチブの設計など、ReDは前記の全段階で頼りになるアドバイザー役を果たします。
組織文化とは何か？
文化に対する私たちの視点は、文化がどのように構築され、普及し、変化するかに関わる人文科学と社会科学の膨大な研究結果を基盤としています。そのため、企業がフォーマルな要因とインフォーマルな要因の調整を図ることは、全社的戦略を実行する上で必要不可欠だと考えています。
構造 (左）
フォーマルな要因
ガバナンスモデル
運営モデル
メトリクス
物理的な環境
文化(右）
インフォーマルな要因
価値観
力関係
風潮
常識＆信念
私たちが「構造」と定義するフォーマルな要因は、企業が最もコントロールしやすい事項です。多くの場合、戦略、運営モデル、職務記述書など、書面で把握できたり目に見える具体的な要因となります。これらは通常、経営陣の明確な意思決定の結果であり、変更することが可能です。
一方で、「文化」と定義されるインフォーマルな要因は、信念、価値観、常識の集合体で構成されます。他者との関係性の中で自己をどのように捉えるのか、どのように行動するか、自分にとって何が重要かを形成するものです。これらをより良く理解するには、有意義な仕事とは何か、「私たち」「彼ら」の定義とは何か、創設の秘話やストーリー、業務慣行や習慣等など、無形に近い企業の側面を調査する必要があります。
構造と文化の整合性を図ることは、組織の長期的な回復力、柔軟性、一貫性、全社的戦略の実行能力において極めて重要です。M&Aの状況下では、フォーマルな要因（構造）とインフォーマルな要因（文化）の調整は非常に複雑で、あらゆる潜在的なリスクや機会を予測して管理する骨の折れる作業となります。
文化を誤解するとどうなるのか？
文化統合に失敗すると、3つの異なる状況がそれぞれ特殊な不整合として発生する場合があります。
1. 隠れた問題：2つの企業が非常に類似した核となる能力、技術、市場志向を持っており、表面的には適合性が高く相互補完的に見えるものの、実際には非常に異なる価値体系や行動パターンを有している場合。こうした状況では、主な文化的相違を明確化し、組織内の緊張を緩和するための調整方法を見出すことが重要です。
2. 誤解：両社の構造、戦略、能力は非常に異なるように見えるものの、実際には、何を信じ、称賛し、信頼するかという点で文化的特性の多くを共有している場合。このような状況で成功するには、2社のフォーマルな構造を調整および融合し、類似する文化を活用して両社の間に架け橋を築く必要があります。
3. 文化の衝突：例えばコラボレーションモデル、インセンティブ構造、コミュニケーションスタイル等において、両社のフォーマルな構造とインフォーマルな構造に不整合が見られる場合。大半のケースで緊張関係が明白となるため、相乗効果の可能性を特定および強調しながら管理を行うことが当面の作業となる。
ReDは何を提供できるのか？
企業文化は、複雑な構造で相互に関連しているため、文化を理解し、定性的かつ深く考察して対応する必要があると考えています。調査や標準的な枠組みでは十分ではありません。そのため当社は、M&Aプロセス全体のリスクを軽減して価値を最大化できる一連のサービスを提供しています。
デュー・ディリジェンス(左）
ソリューションの例
潜在的なターゲット企業または市場における文化リスクと機会のマッピング
投資企業にとって理想的な文化を持った企業の定義
市場や産業における文化の細分化
合併後の統合(真ん中)
ソリューションの例
被買収企業の既存の文化分析
被買収企業と買収企業の主な類似点と相違点を探る比較文化分析
合併後の企業文化の定義
実施(右）
ソリューションの例
新しい文化を立ち上げるための変更イニシアチブ（例：スピーチやメディア）
リーダーに研修を提供して新しい企業文化に関与させるためのリーダーシップ・プログラム
文化の測定・評価に使用する指標